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編集長の日記-酒造りと雑誌作り

2007-02-22

黒澤酒造さんのブログによると、われわれの酒造りの会(八千穂美醸会)の今年度の酒も無事に搾れたようです。
先週末に行ったときには、「もろみにまだ苦みがあるので、3日くらい搾るのを待ったほうがいい」ということで、お試しの搾り会になってしまいましたが、待ったぶんだけおいしい酒ができればいうことはありません。

ここから澱(おり)を取って生酒にしたり、火入などいくつかの処理を経てやっと新酒になります。
田植えから約10カ月、田んぼ作りから数えれば、日本酒造りはほぼ1年がかりの工程です。
日本酒造りと雑誌作り・・・共通点がないようで、同じようなことは意外に多いことに気づきました。雑誌に限らず、物作りというのは根本は同じかもしれませんけどね。

共通点1 種をまいて刈り取る
当たり前の話ですが、日本酒を造るのには、まず米を植えなければいけません。そしてその苗を育てて刈り取ります。
我々の雑誌の仕事も、種をまいて、それを刈り取って初めて記事になるんです。ゴルフというフィールドだけではなくいろんなところに種をまきます。

共通点2 全部使ってもいいものができない
日本酒の場合、米を刈り取っただけでは仕込みはできません。精米して、仕込みに不必要な部分を削り落としていきます。吟醸酒で60パーセント以下、大吟醸では米の全体の50パーセント以下しか使わないものもあります。
なぜ、米を全部使わないかというと、全部使うと酒がおいしくないからです。
米の表面部分には脂肪分やタンパク質が多いので、発酵させたときに雑味が多くなり、キレもなければ香りもなくなってしまいます。

われわれの仕事もまったく同じで、取材してきたものをそっくり使おうとしてもいいものはできません。取材のメモや写真から記事になるのは全体の1割もないくらいです。
いかに取捨選択して、一番いいところを使うかで記事のキレや味が出てくるのではないでしょうか。
どこをどう使うかは編集者の能力、日本酒造りでいえば杜氏さん始め蔵人の方の経験やスキルにかかっています。

共通点3 使わなかった部分は再利用
酒粕や米の粉は米焼酎の仕込みに回され、取材しても本誌で記事にならなかった部分は別に企画の参考にしたり、ムックなどの別冊を作るときに利用されます。
米も取材も使わない部分があっても、無駄なことはないんですね。

その他にも、「同じものができない」「天候に左右される」「忙しいときは休みがない」とか、酒造りと雑誌作りは似たようなところがあります。
私自身、酒造りを通して学んだことはとても多く、それを今後の雑誌作りに生かしていきたいと強く思っています。

sibori0.jpg
仕込んで28日目のもろみ。昨年に比べてやや辛口な感じです

sibori2.jpg
ミニ搾り器でもろみをお試し搾り。最初に出てくるのと真ん中、最後のほうでは味がまったく違います。ちなみに高いお酒で”斗瓶囲い”というのは、約18リットルずつ別取りして選んだもの

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