スローゴルフへの誘い
第130回「粋と野暮」
2006-04-10

ある雑誌の取材で漫画家の黒鉄ヒロシ先生とゴルフ談義をする機会に恵まれたとき、
「なんでゴルフをスコアであるとか、経済の道具としてとか、数字でしか換算できないのだろう。実に嘆かわしい」
といった旨の発言をされたことが、今も非常に心に残っている。ゴルフが打数を競うスポーツである以上、スコアにこだわるのは当然であるし、プロスポーツとして成り立っている以上、それを職業として成立させる、もしくはそれを目指す者があってもおかしくはない。そもそもプロゴルフの世界において、その強さを表す価値基準は「賞金ランキング」であり、ゴルフを数字で表\すことになんの疑問も持っていなかった。
粋と野暮という言葉があるが、黒鉄先生は実に粋な人であった。とにかくそのゴルフの話は面白いし、艶がある。チャンスがあれば、一度一緒にまわってみたい。そう思わせるゴルファーである。
豊かな色と書いて艶と読むが、ゴルフとは人生を豊かにする、つまり艶をかもし出す道具ではないのか。確かに好スコアや獲得賞金の多さが人生に艶を与えることもあるだろうが、仮にスコアが悪くても、もちろん賞金など稼げなくても、それでも豊かなゴルフライフを送っている人たちがいる。明るい、笑顔が絶えない、そして誰からも愛される、そんなゴルファー。そしてゴルフ。
どのみちシングルなどにはなれないのだから、そんな粋なゴルファーを目指そうと思った次第。ところが、もしかするとこちらのほうが100を切ったり、90を切ったりするよりも難しいことだったりして。どうしてもスコアにこだわってカリカリしては、野暮なゴルファーは反省する毎日である。
