片山晋呉がコースレコードの62でプレーオフの末、大会初連覇<ABCチャンピオンシップ>
2006-10-30

日本男子ツアー・ABCチャンピオンシップ<10月26日〜29日・兵庫県・ABC GC 7217ヤード パー72>
取材・文/吉永達生
写真/佐々木啓
昨年同様、今年も大きなガッツポーズとともに頂点に立った片山晋呉。
「まさに(大会キャッチフレーズの)ドラマチック&エキサイティングでしたね」
と、片山は最終日の自身のプレーを自画自賛した。
「明日は1打でも上回ります。最低でも追いついてプレーオフです」
首位の佐々木久行と4打差ながら、最終日を前に逆転優勝を宣言した片山。
最終日は有言実行。その言葉どおり、片山は1番ホールでピンまで残り122ヤードからピッチングウェッジでチップインイーグル! 片山劇場の幕が開いた。
「正直、あのイーグルはありえないこと。だから、あまり気持ちいいものではありませんでした。でも、その後も気持ちが高ぶることなく、冷静に普通にプレーすることができました。がむしゃらに追いつこうとして失敗していたので、今日は追わないように普通にプレーしました」
連覇を誓った2週間前の日本オープンでは、最終日、首位と1打差の2位でスタートしながら気持ちが空回りして75と自滅していた。
“普通”のプレーは、片山に勢いをつけた。4番、5番、7番とバーディを奪って前半31。
それでも、2位スタートの韓国のY・E・ヤンが、6番から4連続バーディを奪い、片山に3打差をつけて独走状態を築いていった。
追う片山は、11番ホールでこれまでなら右にスッポ抜けてバーディチャンスにつけられない左足下がりツマ先上がりで左からの風の状況から、ピンの左サイドにつけてバーディを奪った。
「成長していることを感じました。一番嫌な3メートルの上りのスライスラインを決められたので、今日は私の日だと思いました」
さらに勢いを増した片山は、13番、15番、16番、そして18番でもバーディでヤンを逆転。コースレコードとなる62(10アンダー)で、片山劇場の幕を閉じる予定だった。
それでもヤンは実力者。17番、18番で連続バーディを奪って片山に再び追いついた。
18番(525ヤード、パー5)を使ってのプレーオフ2ホール目、
「あの状況で狙うとは思わなかった」
と、片山が感じた足場のとれない左ラフの厳しい状況から、ヤンは強引にグリーンを狙った。結果は無惨にも池ポチャ。
片山は、2打目をしっかり刻んでピンの左7メートルにつけてバーディ。再び自ら片山劇場を締めくくった。
日本オープンでは自滅して敗れた。しかし、気落ちしている暇はなかった。
「一度マスターズに出てあの(オーガスタ)の雰囲気を味わったものなら、そのためにがんばれるんですよ。これからもずっとあそこにいたいんです」(片山)
マスターズの招待状が届く年末でのワールドランキング50位以内をキープするため、これからも勝ち続ける。すべてはマスターズに出るために。


