パドレイグ・ハリントンがメジャー初優勝<全英オープン>
2007-07-23
USPGAツアー・全英オープン<7月19日〜22日 英国スコットランド・カヌスティーGL 7421ヤード パー71>
取材・文/武川玲子
パドレイグ・ハリントン(アイルランド)がセルジオ・ガルシア(スペイン)とのプレーオフ(4ホール)を制しメジャー初制覇。アイルランド人としての全英制覇は1947年以来60年ぶりの快挙となった。
最終日、9アンダーの首位でスタートしたガルシアは、前半でスコアを落とし首位から脱落。一時はアンドレス・ロメロ(アルゼンチン)が単独首位に立つが、16番でまさかのOB、6アンダーでホールアウト。そして6打差でスタートしたハリントンが前半を3アンダー、14番でイーグルを奪うと9アンダーとし、ガルシアに1打リードで最終18番を迎えた。
しかし、今年も18番には魔物が潜んでいた。
ハリントンのティショットは右に出ると悪いキックでバリーバーン(小川)に落ちた。ドロップして打った3打も再び右のバーンへ。8年前、同じカーヌスティでジャン・バンデベルデ(仏)の悲劇が思い起こされた。ハリントンは第5打を1.2メートルにつけると“6”のダブルボギー、通算7アンダーと逆にガルシアに1打差をつけられてホールアウト。
1打差の単独首位で18番を迎えたガルシア。しかし、ガルシアにも悪夢が待っていた。セカンドをグリーン手前のバンカーに入れ、2メートルにつけた。このパットを沈めると優勝、だがガルシアのパットは無情にもカップに蹴られた。通算7アンダーでハリントン、ガルシアのプレーオフへと戦いはもつれ込んだ。
4ホールのプレーオフ。勝負は1ホール目で大勢が決まった。ガルシアがセカンドをバンカーに入れボギー。対するハリントンは2メートルを沈めてバーディ、これで2打差となった。その後16、17番と両者パー、2打差で迎えた最終4ホール目の18番。ガルシアは左のラフからピン5メートルに2オン、しかしハリントンは冷静だった。悪夢は2度起こさない。セカンドをバーンの手前にレイアップ、残り100ヤードから6メートルに3オン。ガルシアのバーディトライはカップをかすめ、最後までパットに苦しむ一日となってしまった。ハリントンはパーパットは外したものの90センチのボギーパットを沈めると両手を天に突き上げ大歓声を浴びた。
「あの(本戦18番の)ダブルボギーのパットが今日一番プレッシャーがかかった。あれを外せば全てが終わると思った。そして最後のパットは短かったけれど、ものすごく気持ちが昂ぶった。入った瞬間は信じられなかった。ボクは全英オープンに勝ったのだから」(ハリントン)
昨年の欧州ツアーの賞金王ハリントンは、笑顔でクラレットジャグ(全英優勝カップ)を高々と掲げた。一方負けたガルシアは
「何が悲しいって、負けたのが初めてではないこと。ボクは選手以外のものと戦っているのかもしれない」
と茫然自失、ガルシアのメジャー初制覇の道のりはまだ続く。
また、連覇が期待されたタイガー・ウッズは最終日もスコアを1つ伸ばしたが、通算2アンダーで12位タイ、日本勢でただ一人予選通過を果たした谷口徹は通算12オーバーの60位タイで大会を終了した。


