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プレイヤーズ UP TO DATE:岩田寛<つるやオープンより>

2008-04-28


目の前からするりと逃げていった初優勝

取材・文/川内一史
写真/中野義昌

「今は何も考えられないです。初優勝への意識はなかったんですけど……」
 試合後、岩田寛は絞り出すような声でそう言った。目の前に見えていた初優勝は、嘘のようにするりと逃げていった。

 第2ラウンドで1イーグル8バーディ(2ボギー)と大爆発し、単独トップに浮上する。3日目も首位を守り、昨年の日本シリーズJTカップ以来自身2度目となる最終日最終組でのラウンド。
「優勝“したい”のではなく、“する”」
 と、強い気持ちで臨んだ。しかし、そこには魔物が棲んでいた。
 すべては順調であるかに見えた。3番パー4でこの日初めてのバーディを奪うと、6番パー5、10番パー4と、チャンスホールで確実にバーディを取ってスコアを伸ばす。11番パー3ではこの日初のボギーをたたくも、15番パー5、16番パー3で連続バーディ。一騎打ちの相手となったS・K・ホに、この時点で2打差をつけた。初優勝は間違いない。そう誰もが思った。しかし、17番パー5の第2打。ピンまで残り226ヤードを、5番ウッドで果敢に狙う。くしくも、
「手ごたえは完璧。今日イチの当たりだった」
 と自身が振り返るショットは、グリーンを大きくオーバー。さらに、ベアグラウンドの難しいライからとなった返しのアプローチもグリーンからこぼれ、無情にも池に転がり落ちた。このホールをダブルボギーとし、S・K・ホに並ばれる。
 さらに直後の18番パー4。ドライバーでのティショットは大きく右に曲がり、隣のホールに打ち込んだ。
「まだ並んだだけ、と思ってはいたのですが、どこかで引きずっていたのかもしれないです」
 結局このホールもダブルボギー。金庚泰にもかわされて、3位で今大会を終えた。
 とはいえ、師匠の江連忠が、
「ゴルフに対して本当にストイックなタイプ。(片山)晋呉に似ている部分がある」
 と期待する存在であることは間違いない。この経験を糧にして、大器が開花を迎えるときは近い。

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